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ラボ分析計

液体クロマトグラフィー(HPLC)の基礎

 <概要>

液体クロマトグラフィーは、主に製薬会社や、環境分析、食品工業、化学工業の分野で広く用いられます。

 溶媒を変更することで低分子、高分子を問わず分析することが可能であり、GCの様に気化させる必要がないので高温で変性してしまう物質の分析にも適しています。

<応用分野>
分野サンプル分析対象例
食品食品、飲料保存料、残留農薬
環境大気、土壌、多環芳香族、NO2
製薬品質管理、薬物代謝物残留溶媒
半導体材料、洗浄水不純物
メタボローム代謝物有機酸

HPLCの構造

 HPLCは、移動相を運ぶポンプ、試料導入のためのインジェクタ、成分を分離するためのカラム、成分を検出するための検出器の4か所で構成されています。

模式図

模式図

ポンプ

 カラムへ常に移動相を送る為にポンプを送ります。

 カラムは細かい粒子を詰めている為、液が流れにくいため、圧力が上がります。

 そのため、非常に高圧のポンプを使用します。

 近年、更に粒子サイズを小さくして分離能を高めたカラムが登場したことにより、更に高圧に耐えられるUHPLC(超高速液体クロマトグラフ)が販売されています。

 また、ポンプはプランジャー式(ピストンポンプ)を用いますが、ポンプヘッドを2個用い、脈流を減らす仕組み(Wプランジャポンプ)が一般的に用いられます。

インジェクター(試料注入部)

移動層(キャリア)にサンプルを注入する部分です。再現性の高い分析をするためには決まった時間で決まった量を注入することが重要です。

 また多数のサンプルを分析する場合、注入ロボット(オートサンプラ)を用います。

カラム恒温槽
 カラムを定温に保つ事は、分析結果に大きく関わるため恒温槽を用い、一定の温度に保てるようになっています。40度前後に設定して分析することが多いですが、低温にして分析できる物もあります。試料内の分析対象の種類やカラムの材質によって適正な温度は変わります。
カラム

カラムは、一般にステンレス管に充填剤と呼ばれる、粒子を詰めたものを使用し、分離したい成分によって充填剤の種類を変えたものを選択します

充填剤の種類により、物質の分子の大きさ、分子量の大きさ、極性の強さに応じて分離できます。

検出器

  検出器は分析対象物と移動相の違いを読み取る仕組みを取るため、

 分析対象成分の特長をつかむ必要があります。特長に応じて検出器を変える必要があります。

 たとえば一般的な有機物は、UV吸収を持っているので、UV光の吸収(光の減衰量)を知ることで、その成分量を知ることができます。

 視差屈折検出器(RI検出器)

 全ての物質は溶媒に溶けると、(純溶媒と混合物の溶媒と間で)屈折率が変わります。

その性質を利用して検出します。

 そのため移動相に溶ける全ての物質を検出する事が可能ですが、屈折率を使用しているため、低感度のため、低濃度の分析には向きません。

 吸光光度度検出器(UV/VIS検出器)

  HPLCにおいて最もポピュラーな検出器の一つです。

 紫外可視光光度検出器(UV(紫外線)-Vis(可視光)検出器

物質は各々に特定の波長の光を吸収する性質があり、その性質を利用して、定性、定量を行います。

幅広い物質に対して検出が行えますが、欠点として検出に使う光源(紫外可視光)の吸収の無い成分は分析出来ません。

 蛍光検出器(Fluorescence Detector)

  蛍光、もしくは燐光を検出する検出器で、上記のUV-VIS検出器より感度、選択性が高く、再現性も高いです。蛍光(燐光)を検出するため、蛍光物質、もしくは分析成分と化学反応させて標識化(ラベル化)を行いして検出します。

主な分析対象成分:DNA、たんぱく質、免疫測定、低分子量の蛍光物質、農薬、界面活性剤など。

 蒸発光散乱(Evaporative Light Scattering Detector :ELS)検出器

 分析成分をを噴霧して移動相を蒸発除去した後、不揮発性の試料に光を当ててその散乱光を検出して分析する検出器です。

不揮発性の成分はほぼ全て検出できますが、揮発性の高い物質には使用出来ません。

RI検出器と違いグラジェント分析が使える等の特性があります。

またMSと分析条件が近いため、MSの前段階として実験条件などの確認に用いられます。

主な分析対象成分:脂質、脂肪酸、糖、糖アルコー ル、界面活性剤、テルペノイド類など